TEM関連シミュレーション

【フリーソフト】
3D結晶構造シミュレーションは、充実したフリーソフトがあります。大抵の場合は、下記のフリーソフトで十分です。

結晶構造の解析:VESTAReciPro
高分解能TEMの解析:CTEMsoft
SEM・TEM画像の解析・FFT処理:ImageJ
AFMの画像解析:gwyddion


【結晶構造ソフト】
有料ソフトとしてはCrystalmakerがあります。オプションとして、CrystaldiffractSinglecrystalがあり、粉末回折や電子線回折のシミュレーションができます。他には、Diamondがあります。


【透過型電子顕微鏡ソフト】
自前でTEM観察する場合には、Mac Tempas XJEMSといったソフトを併用すると便利です。CBEDによる結晶方位の特定や、観察している結晶方位・構造、面欠陥の構造、高分解能TEMにおける膜厚・focus値、歪みの解析などができます。HREMは使ったことがないので良く分かりません。

・Mac Tempas X
2H-AlNの(0001)と(1120)の高分解能像のシミュレーション
使い勝手がよく、位相差などの設定が簡単です。結晶構造、高分解能TEM(exit wave)、回折パターン、CBED、FFT変換によるノイズ処理、実験データ解析・比較など、豊富です。

・JEMS
2H-AlNのCBEDのシミュレーション
AlN[1,2,0]=[0,1,-1,0], number:1, increment:1, strong reflection number:50,
Broch wave: Beth, Coherent, Half-conv: 5.0, thickness: 150 nm 
使い勝手はあまりよくないですが、価格が少し安いです。各装置のScherzer defocus値などもinputされています。使える機能は上とほぼ同じですが、高分解能TEM像の解析をするなら上のほうが良いです。


【外部委託】
上記2社の技術は世界レベルで、対応も迅速丁寧です。非常に鮮明な像を取得してくれます。価格が気になる方は、NIMSがお勧めです。半額くらいになります。また、筑波大では断面TEM試料加工を請け負っており、TEM加工を筑波大学、TEM観察をNIMSに委託すると、更に半額で済みます(1試料~5万円)。ただし、観察像のクオリティは、上記2社とは比較にならないですし、依頼してから結果が出るまで3か月以上かかるので、値段は値段です。


【おまけ:実際のTEM観察】
実際のTEM観察手順は以下の通りで、加工技術と観察知識を習得するのに半年程度かかります。試料一つに2日がかりです。全てを外部に委託すると、30万円以上かかります。そこで、観察だけは自分で詳しく調べたい、ということれあれば、NIMS筑波大では試料加工のみを安く委託することが可能です。

・平面試料作製
1.試料を2mmx2mmに切断し、エポキシ接着剤を用いて補強リングに固定
2.ウェッジポリッシャで100nm以下、または中心に穴があくまで削る
3.Arイオン1keVで両側からダメージ除去(高分解能観察時に大きく影響)

・断面試料作製
1.試料を2mmx1mmに切断し、試料4枚を面同士貼り合わせて、補強リングに固定
2.FIBで加工
3.Arイオン1keVで両面からクリーニング(付着したGaがなくなるまで)

・観察
1.レンズや焦点を調整して、試料観察
2.高分解能観察では、シェルツァホーカス(装置依存)に焦点調整すると最も分解能が高い